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2020.06.24
水曜どうでしょう?②
心臓病コラム
こんにちは、水曜外来担当の堤です。
今回はお約束通り心臓の話を少ししますね。
心臓という臓器は常に動いており、通常人で1日約10万回の拍動をしておりますが、こんな活動的な臓器は他に見当たらず、どんなふうに作られるのか不思議ではありませんか?
心臓は受精してから形作られるまで約5週間で出来上がってしまうと言われます。意外に早いですね。
それだけ生きていく為に重要な臓器であることの証しかもしれません。
拍動としてエコーで捕らえられるのは7週目、さらに心音が聞き取れるのは12週かかると言われています。
最近では胎児のうちに心奇形が見つかってしまうので、胎児期をどうするか倫理的な問題も含んでいると言われます。
こんな難しい話は専門家に任せて、産まれて何十年か経っての心臓の話をしたいと思いますが、今回は人生50年以上経って発生する大動脈弁狭窄症についてです。
皆さん動脈硬化という病態はご存知だろうと思いますが、動脈の壁にコレステロールを始めとした沈着物が堆積し、結果として壁の硬化と狭窄を来してしまいます。
心臓と大動脈が繋がっている部分にある大動脈弁も、この病気に侵され血管同様硬く狭くなってしまうのがこの病気です。
先ずは息切れ、動悸から始まります。
進行すると胸痛、失神、さらに横になって眠れない心不全という状態になることもあります。
治療は残念ながら薬では無効です。傷んだ大動脈弁を置換する手術しかないのです。
(わたしは65歳ですが、オペも現役でさせていただいています👊)
現在は開胸手術以外にカテーテル治療(TAVIと言います)が進歩し、世の中でこの方法が主流になりつつあります。
(高澤院長が循環器病院にいたときは、TAVIのリーダーでした)
(↓その頃の高澤院長、なんか若いですね!)
開胸は必要なく入院期間は約1週間で済みます。
極めて簡単に治療ができる時代になったといっていいと思いますが、反面この病気は突然死があり、決して安心できないものなのです。
そういう意味では早期診断が極めて重要です。
診断は比較的簡単ですので、手遅れになる前に手術をお勧めします。
当院でも初期診断、初期治療は可能で専門医への紹介も迅速に行えます。
何らかの症状のある方は、先ずは受診をお勧めします。
コロナ、コロナと今は大変な時代になってしまいましたが、心臓の病気とは真摯に向き合い、一緒に治療していきましょう。
それではまた・・・
次回は、血管のお話をしようと思います。
(予定は未定です)