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2020.07.22
水曜どうでしょう?③
心臓病コラム
こんにちは、水曜外来担当の堤です。
今回はお約束通り血管の話を少ししたいと思います。
人の体にある血管には3種類あるのはご存じでしょう。
先ずは動脈。この血管には拍動があり外から触ればすぐわかる特質があります。
内部には100mm Hg以上の内圧がかかり、最もストレスに耐えている血管です。
人の血圧は全ての部位で同じと考えがちですが、地球には重力があり血液にもこれがかかっております。
上肢と下肢ではこの重力(静水圧といいます)のため、通常は下肢の方が20m m Hg程度高いのが普通です。
脳には是非ともある程度の血圧が必要ですので、心臓からの距離の分、心臓は余分に血圧を発生させなければなりません。
余談ですが、キリンの首は2m近くあり、心臓と脳の距離は最も離れている動物ですが、重力に負けないためにキリンの心臓は300mm Hg以上の血圧を発生しています。
代表的な血管は心臓から最も近い大動脈ですが、年齢とともに大きくなってコブ状になる病気が大動脈瘤です。
全て血圧の為せる病気なのですが、正常の大きさのほぼ倍になった時点で破裂の危険が増大しますので、この辺りが治療する目安になります。
また、動脈瘤以外に大動脈解離という病気が、現代人には増えています。
内膜が血圧のストレスのため裂けてしまう病気なのですが、旧くは故石原裕次郎さん、最近では加藤茶さんなどが緊急手術を受け救命されております。
非常に脆い病態ですので、救急体制の優劣が大きく生存率を左右します。
みなさん、この予防法はほとんど無いと思いますので、普段の血圧管理に気をつけて下さいね。
血圧手帳をお渡ししますので、是非記録してみてください。
(診察室での血圧よりも、家庭血圧が重要ですよ)
次に、大動脈から枝が出てさらに末梢の臓器に酸素が運ばれます。
細くなればなるほど糖尿病の餌食になりやすい血管になります。
もうお分かりだろうと思いますが、眼、腎臓、心臓などの血管はそれなのです。
命を維持する重要臓器が、糖尿病で悪くなるメカニズム はここにあるのです。
当院では、こういう臓器障害を引き起こさないために、まめな血糖測定と栄養指導を行なっております。
心配な方、心配でない方もお気軽にご相談ください。
今日はこのくらいで。
次回は残りの2つ、静脈とリンパ管についてのお話をしますね。
外来中、スタバのカフェミストを飲んでおります。
なかなか美味しい…
みなさん、良い一日を❗️