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2025.05.26
アウィクリのご紹介
内科コラム
こんにちは、院長の高澤です👨⚕️
今日は糖尿病治療において、ちょっとびっくりするような新しいお薬「アウィクリ」についてご紹介します。
今まで、毎日インスリン注射を打たないといけなかった方にとって、「週に1回の注射で済む」と聞いたら、とても魅力的に感じるのではないでしょうか。
2024年、世界で初めての“週1回タイプの基礎インスリン製剤”である「アウィクリ(インスリン イコデグ)」が登場しました!
(出典:ノボ ノルディスク ファーマ公式ホームページ)
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アウィクリってどんな薬?
アウィクリは、1週間分の基礎インスリンを1回で体に入れることができるお薬です。
そのため、従来の基礎インスリン(ランタスやトレシーバなど)に比べて、約7倍の濃さになっています。
使い始めるときも、今まで使っていたインスリンのおおよそ7倍の量で切り替えを行います。
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誰でも使えるの?
「週1回でいいなら、今すぐ切り替えたい!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はすべての方に向いているわけではないんです。
たとえば、
•1型糖尿病の方や、膵臓の病気などで体からインスリンがほとんど出ない方には向いていない可能性があります。
•また、低血糖が起きやすい傾向があるというデータもあります。
•特に注意が必要なのは、注射したあとに胃腸炎などで食べられなくなったとき。アウィクリは1週間効き続けるので、その間に十分な食事がとれないと、低血糖のリスクが高くなります。
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どんな人に向いているの?
以下のような方には、アウィクリがとても役立つ可能性があります。
•認知症などでご本人が注射できない場合(ご家族や訪問看護師さんが代わりに注射)
•毎日の注射がどうしても苦手な方
•精神的・身体的な理由で、毎日の注射がつらい・難しいという方
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処方に関する注意点
アウィクリのような新しいお薬には、国のルールがあります。
発売された翌月から1年間は、1回の診察で2週間分(=2回分)までしか処方できないという決まりがあります。
アウィクリの場合、この制限は2025年12月1日までです。
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ご相談はお気軽にどうぞ
当院では、2025年4月から、福井大学医学部附属病院より、糖尿病・代謝・内分泌を専門とする川口先生が木曜日の午前中に外来を担当しています。
甲状腺の病気など、内分泌に関することももちろんOKです!
「インスリン治療を見直したい」「アウィクリが自分に合うのか知りたい」
そんなお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。